■友枝昭世 厳島観月能
1996 年10月、広島県宮島厳島神社能舞台において第1回友枝昭世 厳島観月能『融』を上演。以来毎秋、月夜の満潮時に合わせて開催。
自然の懐に抱かれた壮麗な世界遺産・厳島神社。その能舞台は、柱の朱が鮮やかな回廊から臨む水面に浮かび、背景に大鳥居を擁する。
夕闇の訪れる頃、点々と続く灯籠に導かれ、打ち寄せる波の音に耳を傾けつつ回廊をすすむと、舞台の軒には波が灯火のゆらぎを写し、鹿の鳴く音がかすかに響く。中世と変らぬ月のもと物語は始まり、舞の高揚とともに汐は満ちまたいつしか引いていく。
夢うつつの秋の宵――日常の時空を離れた古人の世界は、観客のみならず演者をも惹きつけてやまない。
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